Interview02 佐藤友香梨さん
日系アメリカ人の旦那さんと結婚し、生活の拠点をロサンゼルスに置く佐藤友香梨さん。現在は旦那さんの仕事の関係で、息子さんと3人で日本に駐在帰国しています。「日本にいる間に、口腔内の不安なところをすべてなくしたいと思いました」と語る佐藤さん。その決意に至るまでに、どのような背景があったのでしょうか。
・歯科医院選びの基準は「通いやすさ」だけでいい?
私は少し前まで「歯科医院はアメリカでかかるもの」と考えていました。30代の頃に仕事で渡米していた時期があり、その間にすっかり感化されてしまって。みなさん、歯に対する意識がとても高く、オーラルケアの教育も幼少期からしっかりされています。なので、仕事の任期を終えて帰国してからも、日本で歯科医院にかかったことは一度もなくて、当時はまだ遠距離恋愛中だった主人へ会いに渡米するたびに、歯科医院でクリーニングを受けていました。
ところが今回、日本に駐在帰国しているこのタイミングで右の奥歯がしみる、痛む、というトラブルが起きてしまいました。とりあえず、自宅近くの歯医者に駆け込んだのですが、歯が欠けて、欠けた奥歯の銀歯の中がむし歯になっているとのこと。本当はアメリカの歯科医院にかかりたいけれど、コロナ禍という状況もあり、いつ戻れるか予定が立たず……。もう、どうしようという感じでした。日本で治療をするのはやむを得ないとしても、このまま「通いやすいから」という理由だけで近所の歯科医院で治療を開始してしまっていいのか、今後も生活の拠点は動くだろうし、次に同じようなことが起きたら、また利便性だけで選ぶしかないのか。その場しのぎで歯科医院を探すことは、不安しかありませんでした。
おそらく多くの方がそうだと思うのですが、歯科医院選びはとても難しいです。広告や外観、受付の方の対応だけでは、自分が望むような医院かどうかはわかりません。歯科衛生士をしている友人いわく、同じ職種の彼女ですら何度か通ってみないと大事な部分は見えてこないそう。となると、一般人の私なんてなおさらですよね。息子のかかりつけについても考えなければいけないですし、日本にいる間に、きちんと信頼できる歯医者を見つけておきたい!今がそのタイミングだ!と強く思いました。
ところが今回、日本に駐在帰国しているこのタイミングで右の奥歯がしみる、痛む、というトラブルが起きてしまいました。とりあえず、自宅近くの歯医者に駆け込んだのですが、歯が欠けて、欠けた奥歯の銀歯の中がむし歯になっているとのこと。本当はアメリカの歯科医院にかかりたいけれど、コロナ禍という状況もあり、いつ戻れるか予定が立たず……。もう、どうしようという感じでした。日本で治療をするのはやむを得ないとしても、このまま「通いやすいから」という理由だけで近所の歯科医院で治療を開始してしまっていいのか、今後も生活の拠点は動くだろうし、次に同じようなことが起きたら、また利便性だけで選ぶしかないのか。その場しのぎで歯科医院を探すことは、不安しかありませんでした。
おそらく多くの方がそうだと思うのですが、歯科医院選びはとても難しいです。広告や外観、受付の方の対応だけでは、自分が望むような医院かどうかはわかりません。歯科衛生士をしている友人いわく、同じ職種の彼女ですら何度か通ってみないと大事な部分は見えてこないそう。となると、一般人の私なんてなおさらですよね。息子のかかりつけについても考えなければいけないですし、日本にいる間に、きちんと信頼できる歯医者を見つけておきたい!今がそのタイミングだ!と強く思いました。
・今こそ、お口の健康に時間とお金をかけるとき
今回の歯科医院選びの最初のつながりはSNSでした。息子を出産して以来、子育ての情報を得るためにインスタグラムをよく利用していたのですが、その中で「息子の誕生日が1日違い」というつながりから、ある歯科衛生士さんと親しくなりました。彼女の発信する子どものむし歯予防に関する情報がとても興味深く、参考にさせてもらったり、普段から子どものお洋服や日用品のこと、育児に関する情報をやりとりしたり……。そのような中で、自分自身の歯にまさかのトラブルが起きてしまったので「私のことも、一度聞いてみようかな......」と相談させてもらうことにしました。
今のお口の中の状況や不安なこと、歯科医院の選び方のポイントなど、アドバイスをもらえたらとメッセージを送ったところ、親身に丁寧に話を聞いてくださって。「私の夫が歯科技工士だから、力になれるかも」とすぐに、デンタルラボア シュルッセルの岡部さんを紹介していただく流れになりました。
はじめは歯科技工士さんにどう話して何を相談していいのかわからず緊張しました。しかし、実際にお話ししてみたら、緊張や不安はすぐになくなりましたね。話しやすいし、いろいろなことに驚きの連続で。治療歴や以前に指摘された問題、自分で把握している口腔内に関する癖などもお話ししたところ、歯ぎしりや噛み締めによって起こる歯への負担、トラブルが起きている歯だけを治しても噛み合わせのバランスがとれなくなることなどを丁寧に説明していただきました。
将来的に歯を残していくためには、お口の中全体を見ていかなければならないことを教えていただき、歯の知識がない私でも納得しながら理解していくことができました。
思い返せば、今までは歯が痛くなるたびに一つひとつ治療するというのをずっと繰り返してきましたし、いつ、どの歯を、何が原因で治したのか記憶がありません。アメリカでも1本だけインプラントを入れたのですが、全体を見てもらっていたらインプラント以外の解決策もあったのかなと今になって思うこともあります。
言葉の壁があったにせよ、そういった経験もあり、お口の中全体を見なければならないというお話にはとても納得できました。岡部さんが 「今後二度と歯のことで苦労しないように」という視点で考えていらっしゃるのも伝わってきましたし、今こそ自分のお口の健康に時間とお金をかけるときなのかもしれないと思いました。
今のお口の中の状況や不安なこと、歯科医院の選び方のポイントなど、アドバイスをもらえたらとメッセージを送ったところ、親身に丁寧に話を聞いてくださって。「私の夫が歯科技工士だから、力になれるかも」とすぐに、デンタルラボア シュルッセルの岡部さんを紹介していただく流れになりました。
はじめは歯科技工士さんにどう話して何を相談していいのかわからず緊張しました。しかし、実際にお話ししてみたら、緊張や不安はすぐになくなりましたね。話しやすいし、いろいろなことに驚きの連続で。治療歴や以前に指摘された問題、自分で把握している口腔内に関する癖などもお話ししたところ、歯ぎしりや噛み締めによって起こる歯への負担、トラブルが起きている歯だけを治しても噛み合わせのバランスがとれなくなることなどを丁寧に説明していただきました。
将来的に歯を残していくためには、お口の中全体を見ていかなければならないことを教えていただき、歯の知識がない私でも納得しながら理解していくことができました。
思い返せば、今までは歯が痛くなるたびに一つひとつ治療するというのをずっと繰り返してきましたし、いつ、どの歯を、何が原因で治したのか記憶がありません。アメリカでも1本だけインプラントを入れたのですが、全体を見てもらっていたらインプラント以外の解決策もあったのかなと今になって思うこともあります。
言葉の壁があったにせよ、そういった経験もあり、お口の中全体を見なければならないというお話にはとても納得できました。岡部さんが 「今後二度と歯のことで苦労しないように」という視点で考えていらっしゃるのも伝わってきましたし、今こそ自分のお口の健康に時間とお金をかけるときなのかもしれないと思いました。
・自分の身体にかかわる人と対面できる安心感
それから、私の希望(通いやすさや小児歯科の取り扱いなど)に合った、長く安心してかかれる岡部さんおすすめの歯科医院を紹介していただきました。そこでは、奥歯のむし歯治療をはじめ、セラミック歯への統一(詰めていた銀歯をすべてセラミックに変える)、歯ぎしりや噛み締めの問題を解決するためのマウスピースの作製など、口腔内のすべての問題を一つひとつクリアにしていきました。
歯を作る技工士と歯を治す歯科医師、それぞれの専門家が連携を取りながらお口の中を見てくださるというのは、経験したことのない感覚です。自分の身体にかかわってくださる方たちとたくさんコミュニケーションを取りながら治療を進められる安心感を初めて味わいましたね。当然、時間もかかりましたし、治療費は高額になりました。しかし「時間」と「お金」をかけても「安心できてよかった」という気持ちが上回っています。
改めて考えてみると、過去に銀歯を入れたときも、アメリカでセラミックを入れたときも、歯科技工士さんと顔を合わせたことは今まで一度もありませんでした。そのようなお仕事をしている人がいるというのは知っていましたが、具体的にどのようなお仕事をされているのか、どのようなことを考えているのかは、岡部さんとお話をして初めて知りました。
一番安心だと感じたのは、歯科技工士さん・歯科医師さんとしっかり対面し、特別な関係性が生まれてから治療が始まったということです。例えば、補綴物を入れてもらう瞬間もただ単に「新しい歯を入れますね」と言われるのとは心理的に全然違います。「あの岡部さんが作ってくれたんだな」と顔が浮かびますし、岡部さんは岡部さんで「将来のことで悩んでいた佐藤友香梨さんの歯だな」と考えながら作ってくれているはずです。治療してくれる先生も「岡部さんの作った歯ができあがってきました」と、わざわざ言ってくださるんですよ。それって少しも手が抜けないということですよね。歯科医療者と患者が厚い関係性を作るには、お互いに勇気がいります。ましてや歯科技工士さんに「私があなたの大事な歯を作ります」という自信や誇りがなければ、できないことだと思います。
歯を作る技工士と歯を治す歯科医師、それぞれの専門家が連携を取りながらお口の中を見てくださるというのは、経験したことのない感覚です。自分の身体にかかわってくださる方たちとたくさんコミュニケーションを取りながら治療を進められる安心感を初めて味わいましたね。当然、時間もかかりましたし、治療費は高額になりました。しかし「時間」と「お金」をかけても「安心できてよかった」という気持ちが上回っています。
改めて考えてみると、過去に銀歯を入れたときも、アメリカでセラミックを入れたときも、歯科技工士さんと顔を合わせたことは今まで一度もありませんでした。そのようなお仕事をしている人がいるというのは知っていましたが、具体的にどのようなお仕事をされているのか、どのようなことを考えているのかは、岡部さんとお話をして初めて知りました。
一番安心だと感じたのは、歯科技工士さん・歯科医師さんとしっかり対面し、特別な関係性が生まれてから治療が始まったということです。例えば、補綴物を入れてもらう瞬間もただ単に「新しい歯を入れますね」と言われるのとは心理的に全然違います。「あの岡部さんが作ってくれたんだな」と顔が浮かびますし、岡部さんは岡部さんで「将来のことで悩んでいた佐藤友香梨さんの歯だな」と考えながら作ってくれているはずです。治療してくれる先生も「岡部さんの作った歯ができあがってきました」と、わざわざ言ってくださるんですよ。それって少しも手が抜けないということですよね。歯科医療者と患者が厚い関係性を作るには、お互いに勇気がいります。ましてや歯科技工士さんに「私があなたの大事な歯を作ります」という自信や誇りがなければ、できないことだと思います。
・歯は人生にずっとついてくるものだから
40代半ばになると、身体の中でメンテナンスしたいところはどんどん増えていきます。その中でも、歯がいかに大事かということは今まさに実感しています。シミとかシワは年齢には逆らえないものですし、ケアをするにしても優先順位をつけなくてもいいほど、それほど必要には迫られていない。でも、健康な歯は、ないとご飯が食べられません。体力もつかないし、元気な毎日を送るために絶対に欠かせない”人生にずっとついてくるもの”だと痛感しています。
これから息子の成長を見守っていくためにも、ちょっとでも長生きしたいというのが今の一番の願いです。そのためにはいつまでも若々しく、元気でいたいと思っています。今回こうしてお口の中のことをお任せできる方たちに出会えたことは、本当にありがたかったです。何かトラブルが起きたときの「窓口」ができましたし、信頼できる歯科衛生士さん・歯科技工士さん・歯科医師の先生がその窓口につながっていますから。
アメリカに帰ってからもメンテナンスは続けて、日本に帰ってきたときは今回お世話になった先生方に相談する。このサイクルで、今までの“治療”とは無縁の“歯をメンテナンスする”という人生を送りたい!と思っています。
これから息子の成長を見守っていくためにも、ちょっとでも長生きしたいというのが今の一番の願いです。そのためにはいつまでも若々しく、元気でいたいと思っています。今回こうしてお口の中のことをお任せできる方たちに出会えたことは、本当にありがたかったです。何かトラブルが起きたときの「窓口」ができましたし、信頼できる歯科衛生士さん・歯科技工士さん・歯科医師の先生がその窓口につながっていますから。
アメリカに帰ってからもメンテナンスは続けて、日本に帰ってきたときは今回お世話になった先生方に相談する。このサイクルで、今までの“治療”とは無縁の“歯をメンテナンスする”という人生を送りたい!と思っています。