想像してみてください。
もし30~40代の私たちが、この先1年間に「保険の被せ物(クラウン)」や「保険の詰め物(インレー)」を1つも入れなかったとしたら──?
医療費は年間で 約1,800億円 も削減できるそうです。
このお金があれば、多くの保育園や学校での教材を充実させたり、未来ある子どもや若者の “本当に必要としている医療費助成” をもっと拡充したりすることが可能になります。
つまり、私たちの「歯」の選択が、社会全体の未来を変える大きな力になれるということ。
考えてみると、これはすごく希望が持てると思いませんか?
① その選択、本当に“おトク”ですか?
被せ物や詰め物が必要になると、多くの方が「保険でお願いします」と選ぶことが多いでしょう。
確かに、保険治療は費用が抑えられて、目の前の負担は軽く感じられます。
しかし、この安易な選択が将来にわたって、もっと大きな負担を招くリスクがあることをご存知でしょうか?
・多くの場合、数年後に同じ歯の治療が再び必要になることがわかっています。
・繰り返しの治療で歯の状態が悪化し、やがては抜歯せざるを得なくなるケースも少なくありません。
・抜歯の後には、隣の健康な歯を削る必要があるブリッジや、さらに高額なインプラント治療を検討しなければならない場合も。
・口腔の健康状態が悪化すると、糖尿病や心疾患など全身の病気リスクも高まることが医学的に証明されています。
・こうした健康問題は、家族の負担や心配を増やし、日常生活にも大きな影響を及ぼします。
・さらに、これらの医療費は国の財政にも大きな負担を与え、次世代に重い借金として残ってしまうのです。
つまり、目先の費用を抑える「保険で安く済ませる」という選択は、
見えない未来で自分自身と家族、社会全体に大きな負担をかける可能性がある。
だからこそ、私たち一人ひとりがもっと歯への意識を持ち、将来を見据えた選択をすることが必要なのです。
② 未来の社会に渡すバトン
この話は、単に今の医療費を減らすだけの話ではありません。
私たち親世代が健康でいることは、何よりもまず自分自身と家族の毎日を豊かにするために欠かせません。健康な親がいることで、家族みんなの笑顔や安心が増え、生活の質も高まります。
そしてもう一つ重要なのは、私たちが将来必要な医療費を減らすことで、子どもたちに余計な経済的・精神的負担をかけずに済むこと。
これは社会全体の未来に渡す大切な「バトン」のようなものです。
私たち30代・40代の子育て世代だからこそ、健康を守りつつ、未来の社会のために行動していく必要があります。
③ 誰でもできる、小さな一歩
補綴治療をしなくて済むように、まずは「予防」をしっかり意識しましょう。
毎日のブラッシングや生活習慣の見直し、そして定期的なメンテナンス受診。
信頼できる歯科衛生士と一緒に、日々の予防を積み重ねることが何より大切です。
それでも補綴治療が必要になったとき、慌てて「保険で安く済ませる」だけでなく、
自費診療も選択肢の一つとして考えてみてください。
ただ、自費=必ずしも良質とは限らないことを、私たち歯科医療従事者も重々承知しています。
重要なのは、どのクリニックで、どの先生に診てもらうか。
患者さんの話に耳を傾け、わかりやすい説明を心がけ、未来のことを考えた治療を進めてくれる先生。そんな医療機関を選ぶことが、満足度の高い治療につながるのです。
家族や子どもたちの未来を考えるなら、「安さ」だけで判断するのではなく、信頼できる治療環境を選ぶこともまた、勇気ある大切な一歩。
こうした選択を意識する人が増えれば、質の高い歯科医療が社会に広がり、結果的にみんなの健康と医療費削減にもつながっていくのです。
④ この医療費、あなたにも関係あるから
日本の歯科保険医療費は年間約3.2兆円にのぼり、医療費全体の約7%を占めています。
特に30〜40代だけでも毎年数千億円が使われているのです。
「そんな大きな額は自分には関係ない」と感じるかもしれませんが、
あなたが「あなたの歯を守る」ことは、結果的に社会の医療費を守ることにつながっています。
一人ひとりの行動や選択が積み重なり、社会全体の健康と持続可能な医療制度を支えているのです。
⑤ まとめ
自分自身の健康な歯を守ることは、それほど難しくありません。
医療費の削減は、国の大きな課題の一つですが、その中でも「歯の健康を守ること」、そして「補綴物の選択」は、私たち一人ひとりが自分の意思で動ける、とても具体的で重要なテーマです。
親として、そして社会を支える世代として、未来の子どもたちに健やかな明日をつなぐ責任をしっかり果たしていきませんか?
30代・40代の今だからこそ、この重大な役割とチャンスを胸に刻み、未来のための行動を力強く始める時だと思うのです。
もう一度想像してみてください。
もしも30〜40代の私たちが、この先1年間に「保険の被せ物(クラウン)」や「詰め物(インレー)」を1つも入れなかったとしたら──。
どんな未来につながると思いますか?