歯科技工士の岡部です。
「技工士からみた歯科医療」というテーマでは、みなさまの疑問に思うことや知識を深めていただけるような内容を書いていきますのでよろしくお願いします。
今回は多くの方のお口に入っている銀歯についてです。大きな虫歯があった場合、治療を進めていくと補綴物(詰め物や被せ物)の材質を選択する必要が出てきます。
「保険の銀歯にしますか?自費のセラミックにしますか?」と歯科医師から尋ねられるでしょう。
その時あなたはこれまでどのように選択してきましたか?「保険診療内がいい」という理由だけで銀歯を選択した経験はありませんか?
補綴物には様々な材質がありますが、その選択次第では全身の健康にも影響が出ることがあるので慎重に選ぶことをおすすめします。特に、銀歯に使われている「金銀パラジウム合金」という金属は、そのデメリットを知らずにたくさんお口の中に入っている日本人は少なくありません。
①銀歯の材質、金銀パラジウム合金のメリット
一般的に銀歯と呼ばれる詰め物、被せ物の金属は「金銀パラジウム合金」と言います。日本では1956年に規格化され、保険診療内で使う金属としてつくられました。
多くの日本人の口の中に入っていますが、あなたはいくつありますか?
1974年以降、現在使用されているこの材質は
・金12%以上
・パラジウム20%以上
・銀50%前後
・銅20%前後
・その他
からなる合金です。
当時から歯科治療で使用されるようになった理由とメリットは次の3点が考えられます。
①強度が高い
特に強い力のかかる奥歯(大臼歯)に使っても割れにくく、とても強度の高い金属です。
②安価である
この材質が使われ始めたのは戦後モノの少ない時代からです。安価だったこの金属は国の経済力に見合ったという理由で選ばれたと言われています。保険診療では、3割負担の場合で詰め物は3,000円前後、被せ物は4,000円程度と現在も安価で歯科治療を受けられます。
③技工の作業が容易
専門的には鋳造作業と言いますが、補綴物をつくるのにとても扱いやすく、一度での量産も可能です。
多くの日本人の口の中に入っていますが、あなたはいくつありますか?
1974年以降、現在使用されているこの材質は
・金12%以上
・パラジウム20%以上
・銀50%前後
・銅20%前後
・その他
からなる合金です。
当時から歯科治療で使用されるようになった理由とメリットは次の3点が考えられます。
①強度が高い
特に強い力のかかる奥歯(大臼歯)に使っても割れにくく、とても強度の高い金属です。
②安価である
この材質が使われ始めたのは戦後モノの少ない時代からです。安価だったこの金属は国の経済力に見合ったという理由で選ばれたと言われています。保険診療では、3割負担の場合で詰め物は3,000円前後、被せ物は4,000円程度と現在も安価で歯科治療を受けられます。
③技工の作業が容易
専門的には鋳造作業と言いますが、補綴物をつくるのにとても扱いやすく、一度での量産も可能です。
②金銀パラジウム合金をつかうのは日本だけ?
強度があり、安価で、扱いやすい金属というメリットもありますが、私の知りうる限りではヨーロッパ、北欧、アメリカなどではほとんど使われることはありません。
ドイツでは使用禁止の勧告が出されていたり、スウェーデンでは妊婦と小児には使用が禁止されているほどです。
それはなぜでしょうか?
ドイツでは使用禁止の勧告が出されていたり、スウェーデンでは妊婦と小児には使用が禁止されているほどです。
それはなぜでしょうか?
③金銀パラジウム合金のデメリット
この金属を口の中に入れるデメリットは次の通りです。
①銀歯の下が虫歯になりやすい
長期間の使用や噛む時にかかる力によって、劣化や変形が起こりやすくなります。それにより歯と銀歯の間に隙間ができると、そこへむし歯菌が侵入。銀歯の下からむし歯が進行する可能性があります。
②金属アレルギーを引き起こす
お口の中に金属があると、唾液や飲食物、体温なども影響して少しずつ金属イオンとして溶け出します。溶けた金属イオンが身体の中のタンパク質と結びつくとアレルギーの原因となるアレルゲンという物質になり、それが溜まり続けることで身体は排除しようとしてアレルギー反応を引き起こします。
③歯茎が黒くなる
金属が口の中で溶け出すことで歯茎を黒く染めてしまいます。歯茎と金属が接していなくても金属イオンが象牙細管という細い管から入り込んで歯の根自体を黒く変色させて歯茎が黒く見える原因の一つにもなります。
④ガルバニック電流(電磁波)による体調への影響
種類が違う金属同士が、唾液を介して接触しあった時に流れる微弱な電流をガルバニック電流といいます。例えば、アルミホイルを噛んで痛みがあるのは銀歯とアルミホイルの異種金属が触れ合うからです。
この電流によって、身体の痛みや疲れ、不眠、イライラなどの神経症状をも引き起こすと言われていますが、これが原因と気づかずに過ごしてしまう場合もあります。
因みに、白い歯にみえる前歯の「前そう冠」という保険の補綴物も裏側や中に金属が使われています。
①銀歯の下が虫歯になりやすい
長期間の使用や噛む時にかかる力によって、劣化や変形が起こりやすくなります。それにより歯と銀歯の間に隙間ができると、そこへむし歯菌が侵入。銀歯の下からむし歯が進行する可能性があります。
②金属アレルギーを引き起こす
お口の中に金属があると、唾液や飲食物、体温なども影響して少しずつ金属イオンとして溶け出します。溶けた金属イオンが身体の中のタンパク質と結びつくとアレルギーの原因となるアレルゲンという物質になり、それが溜まり続けることで身体は排除しようとしてアレルギー反応を引き起こします。
③歯茎が黒くなる
金属が口の中で溶け出すことで歯茎を黒く染めてしまいます。歯茎と金属が接していなくても金属イオンが象牙細管という細い管から入り込んで歯の根自体を黒く変色させて歯茎が黒く見える原因の一つにもなります。
④ガルバニック電流(電磁波)による体調への影響
種類が違う金属同士が、唾液を介して接触しあった時に流れる微弱な電流をガルバニック電流といいます。例えば、アルミホイルを噛んで痛みがあるのは銀歯とアルミホイルの異種金属が触れ合うからです。
この電流によって、身体の痛みや疲れ、不眠、イライラなどの神経症状をも引き起こすと言われていますが、これが原因と気づかずに過ごしてしまう場合もあります。
因みに、白い歯にみえる前歯の「前そう冠」という保険の補綴物も裏側や中に金属が使われています。
④補綴物の材質選びは慎重に
全身の健康に悪影響もある金銀パラジウム合金ですが、それでも日本の保険診療内ではこの金属が使われています。それを「時代遅れの医療」と表現する歯科医師もいるほどで、私もその通りと感じています。
私が勤務していたドイツでは前述した通り、患者さんの健康面を考えてこの材質を選ぶことはあり得ません。
彼らの多くは、セラミック(陶器)か、ジルコニア(人工ダイヤモンド)という身体への親和性が高く安心して口の中に入れられる材質を選択します。
私は帰国後自分のラボを開設する時には、セラミックとジルコニアの専門のラボにすることが自然な流れでした。私を信じて補綴物を任せてくださる患者さんを想えば金銀パラジウム合金などの金属を扱うという選択肢自体が無かったのです。
もちろん私自身や家族の口腔内も現在は金属は外しメタルフリーです。
あなたの歯にはいくつ銀歯が入っていますか?
「保険の銀歯にしますか?自費のセラミックにしますか?」
この質問を受けた時、あなたはこれからも銀歯を選択しますか?
後悔することのないようにしっかり担当の歯科医師の説明を受けて選択していただければと思います。
私が勤務していたドイツでは前述した通り、患者さんの健康面を考えてこの材質を選ぶことはあり得ません。
彼らの多くは、セラミック(陶器)か、ジルコニア(人工ダイヤモンド)という身体への親和性が高く安心して口の中に入れられる材質を選択します。
私は帰国後自分のラボを開設する時には、セラミックとジルコニアの専門のラボにすることが自然な流れでした。私を信じて補綴物を任せてくださる患者さんを想えば金銀パラジウム合金などの金属を扱うという選択肢自体が無かったのです。
もちろん私自身や家族の口腔内も現在は金属は外しメタルフリーです。
あなたの歯にはいくつ銀歯が入っていますか?
「保険の銀歯にしますか?自費のセラミックにしますか?」
この質問を受けた時、あなたはこれからも銀歯を選択しますか?
後悔することのないようにしっかり担当の歯科医師の説明を受けて選択していただければと思います。